ムニエ先生を想って。

2007.07.07 22:00|Musique~音楽
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先月27日は私がフランス時代に師事させていただいていた
ジェルメーヌ・ムニエ先生の命日。
先生が天国に召されてから早一年が経ちました。

そして私は同じ時期に先生の下で学んだ友人達と共に、東京・杉並公会堂にて
ムニエ先生への想いを胸に追悼コンサートを開催させていただきました。

↑写真はリハーサル中の私。まだ髪はぼっさぼさのまんまです・・

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今回のコンサートは先生の晩年に教えを受けた門下生である私たち9人で
一から企画をし、準備を重ね、そして先生の命日であるこの日に
皆様の前での演奏する運びとなったのです。

私はチケットやプログラムの製作を主に担当しました。
パソコン音痴は相変わらずの私なのですが、ブログを書いているお陰で何か
文章を作ったりレイアウトをしたり…という作業が好きになっちゃったんです。
四苦八苦しつつ私が最後のホチキス止めまでしたプログラムを
お客様が読んでくださるのを見るのは…なんだか感動的でもあります。

今回のコンサートでは忘れてはならない素晴らしい活躍をしたのは、
上の写真のベーゼンドルファー社のピアノくん。

ムニエ先生がご自宅で愛用していらっしゃったのは、ウィーンに
本社を置く老舗ピアノ会社・ベーゼンドルファー社のピアノ。
スタンウェイ社、べヒシュタイン社のピアノと一緒に「世界三大ピアノ」
と呼ばれたりするピアノさま(さま・・と付けたくなる)なのです。

そして偶然にもこの杉並公会堂にベーゼンドルファーがあり、(どんな町にも
グランド・ピアノはある…と言われる「ピアノ天国日本」でも、
ベーゼンドルファー社のピアノはなかなか希少です)
その上日本ベーゼンドルファーさんがこのコンサートの後援をして
いただくことになったのです。

今回使わせていただいたピアノは鍵盤が88鍵の一般的なピアノよりも
9鍵も鍵盤の数が多い、インペリアルと呼ばれる大きなピアノ。
写真でもかなり存在感がありますよね?

低音、すなわち写真で言うと左に9鍵も多くC(ド)の音まで広がっているので、
初めてそんなピアノに触る私はリハーサル時にちょっと混乱していまいました。


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↑コンサート終了後舞台で記念撮影する友人達。

私が今回演奏したのは現代曲2曲。
1曲目の武満徹の「閉じた眼」は高音から低音までまんべんなく音が散り
ばめられ、お能の動きのように静か~に奏していたと思いきや、
突然「だだだ~ん!」「ちゃらちゃら~」(ってすごい表現だなぁ)と、
低音や高音で音が発せられるという、不思議な美しさを持つ作品。

瞬時に手の位置を移動しなくちゃいけないのに、今回のピアノは
いつも練習しているピアノより鍵盤が多いので、リハーサル時に
一瞬どこの鍵盤を弾いていいのやらわからなくなりプチ・パニックに
陥ってしまいました(汗)
プラスされている9鍵は白鍵も黒く塗りつぶされているのですが、
異常に明るい舞台の照明と会場の雰囲気にドキドキ…
かなり冷や汗もののリハだったのです。

ですが、、、
そのドキドキよりも感動してしまったのが、ベーゼンドルファー社の
ピアノの豊かな響き、会場に染み渡るように残る響きでした。

いつも自宅のピアノでは出てこなかった不思議な「うねり音」がこの
武満氏の曲で数箇所出てきて、かなり驚いたのです。
ピアノの下から唸るように、指先に振動を感じるほど「ぐぉぉん」と
響く音を聴いたのは、私にとって初めての体験。
例えではなく、本当に体ごとピアノの中に吸い込まれるくらいの
力を、このうねりから私は感じました。
まるで地の底からの響き…なのです。ピアノって奥が深いっ!と再確認。

人との出会いと同じく、ピアノにも一期一会の出会いを感じた瞬間でもありました。

出会い…といえば本番中、不思議な感覚に襲われたのが今でも忘れられません。
2曲目のヒナステラを演奏している時、意識がふっと遠くなって
舞台で演奏しているのではなく、パリ・エコールノルマルのレッスン室で
演奏しているような、そんな感覚になったのです。

そして後ろでムニエ先生が毎週のレッスンの時のように、まっすぐ
私の背中を見ていらっしゃる…そんな視線を感じました。

「さぁ、このわからずやのアキコに何て叱ってやろうかしら…」なんて、
ムニエ先生がちょっぴり意地悪そうに思案されつつ佇んでいらっしゃる、
そんな雰囲気。(同じ門下生の友人だったら容易に想像できるよね)

私は不思議な現象とか真剣に信じるほうではありませんし、霊感もほとんど
ない人なのですが…だけど確かに先生の優しくも厳しい視線を感じたのです。

そして実はコンサート終了後、出演者全員で撮影した写真には、
不思議な、まぁるい光が私たちを取り囲む様にぼんやり写っていました。

私たちを娘のように想ってくださった先生が、あまりにも心配で
このコンサートに駆けつけてくださっていたのでしょうか…
私たちの先生への深い尊敬と愛情が、音楽を通じて天国に伝わって
いったことを願い、そして信じて止みません。

ムニエ先生、ありがとうございました。

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↑みんなで。まるでパリ時代に戻ったみたいで嬉しかったなぁ。
とろそれは右から3人目の赤いドレスです。

ジェルメーヌ・ムニエ女史追悼コンサートブログ
http://blog.livedoor.jp/germainemounier/
↑こちらからも今回のコンサートの情報や、各出演者のHPなどが
ご覧いただけます。




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テーマ:ピアノ
ジャンル:音楽

Comment

あら~ムニエ先生きてたのね。
しかし、久々に演奏が聴けてよかったわ。
おつかれさん。

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昨日は久々にTELで話せてよかったです!
私も久々~のコメントになってしまったよ!
パリでもこの日はこじんまりとした1周忌が近くの教会でありました。
今はバガテル公園でムニエ先生のオマージュコンサートが続く。。 昨日はクラスを継いだBERCHOT先生の熱い演奏に涙がでました。
私達が感じるのは演奏を通してその向こうに見える先生の音楽なんですよね。。。
日々 先生から学んだものがきっといつかは姿を変えて行ってしまうのは仕方のないことと思うけど こうして皆が心を1つにして先生に捧げたコンサートには心からBRAVO!です
みんなほんと奇麗!
もしパリだったならドレスコード引っかかりそうなカジュアル路線だろうなー と思いやした
ベーゼン インペリアル 
名前が右にずれてる→ 左に鍵盤が多い!ということだよね、、
これだと 洋上の小舟の最低音が ちゃんと弾けるね!先生に どうしてRAVELは存在しない音を書いたんですか?と聞いたら 「知らないわよ~~! でも いつか88鍵以上のピアノが出来ると思ったんじゃないの!?」
先生!その通りでした。(長くなってゴメン~~)

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●ばぶこへ
ばぶこもお疲れ様。
また近々ばぶこ世田谷に襲来・・の日が来そうねぇ・・

●SAKURAさんへ
先日は電話でゆっくり話せてよかったわ~
パリからの長電話、昔だったら恐ろしいね!

コンサート、とてもよい勉強になりました。
ドレスコードの問題!!なるほど~
私たちも色々話し合って、今回のような「華やか路線」
に決めたのね。黒ばかりだとそれこそ悲しい雰囲気だし、
何よりムニエ先生が明るい雰囲気がお好きだったよね・・と
いうことで、みんなも明るいカラーでまとめたのでした。

ムニエ先生はどう思っていらっしゃるかしら・・
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とろそれ(河村晶子Akiko KAWAMURA)            

  • Author:とろそれ(河村晶子Akiko KAWAMURA)            
  • パリ・サンルイ島の小さなStudioに生息していたピアノ弾き。現在は東京在住。娘のN子、パリ生まれの猫の銀と一緒に暮らしています。ヘアメイクの夫C氏は現在マレーシアで単身活動中。

    ☆ホームページ開設しました☆
    ピアニスト河村晶子のホームページ
    http://akikokawamura.jimdo.com/




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